2015年05月14日

ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ

(注:長々としたうんちく記事です。)
先日入手した3色迷彩STアーマーで、ドイツ官給系装備集めは一区切りついたかなーと思っています。なので、ここで一度ドイツ官給系装備の系譜をざっくりまとめておこうかと。
あくまで現状の私の理解に基づいた記事ですので、多少不整合などあるかもしれません。だいたいの目安として見てもらえれば良いかと思います。「ん?」と思ったところは遠慮なくコメントくださいませ。


===年代分け===
私の独断と偏見に基づいて、だいたい10年程度を一区切りとして以下のように分けました。
 (1955年再軍備)
 西ドイツ前期(1955年-1960年代中頃)
 西ドイツ後期(1960年代中頃-1980年代末)
 (1990年東西ドイツ統一)
 連邦ドイツ前期(1980年代末-1990年代中頃)
 連邦ドイツ中期(1990年代中頃-2000年代末)
 連邦ドイツ後期(2000年代末-2010年代中頃(現代))
装備更新は優先度や経済状況、配備規模に応じて順次進みますので、明白な区切りはありません。また、統一直後からしばらくは旧東ドイツから引き継いだ装備などもありましたが、それらについては詳しく知らないので取り上げていません。
そして言うまでもありませんが、「ここにある組み合わせだけが正解!それ以外はニセモノ!不勉強!」みたいな意図で書いたものではありません。各アイテムのだいたいの年代を把握する際の目安だと思っていただければ幸いです。
また参考画像として私が過去にやった装備の写真を載せてますが、私の装備は特定の装備の再現ではなく「だいたいのイメージ」で組んでいるので、じっくり見られるとボロが出ますw
===/年代分け===


===難易度表記===
これまた独断と偏見に基づき、装備集めの難易度を併記しています。
 低:国内通販(ヤフオク含む)で手に入る(気がする)
 中:海外通販(ebay含む)で手に入る(気がする)
 高:海外通販でもなかなか見かけない(気がする)
くらいが目安です。実物準拠の基準なので、レプリカがあるものだといくらか難易度が下がる場合もあります。
なんだかんだでけっこうタイミングに左右されるものなので、あまり参考にならないかもしれません。ご了承ください。
===/難易度表記===


===迷彩の呼び方について===
5色迷彩=(正式名)5Farbe Tarndruck=5FTd=5fb = いわゆるフレックターン
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ

3色迷彩=(正式名)3Farbe Tarndruck=3FTd=3fb = いわゆるデザートフレックターン(トロペンターンorヴィステンターンという名称は色々と紛らわしいのでここでは使いません)
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ

新型デザート(正式名:Wüstentarn)はまだそこまで普及して無いので取り上げていません。
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ

(画像は http://camopedia.org/index.php?title=Germany より)
===/迷彩の呼び方について===



西ドイツ前期(1955年-60年代中ごろ)
●G1(FAL) + ライバー迷彩・スプリッター迷彩・ウールBDU + G1用ベルト一式
 再軍備直後の装備。旧軍のものを一部引き継いでいたり、試験的に色々採用していたりと複雑な上に、FAL も装備類もほとんど出回らないため難易度は高。

西ドイツ後期(1960年代中ごろ-80年代末ごろ)
●G3 + モルスキンBDU(前期型) + コットンベルト一式
 冷戦真っただ中の時代を支えた代表的西ドイツ装備。前半はキャンバス生地ポーチと補助付きサスペンダー、後半になるとゴム引きポーチと簡易サスペンダー。難易度は低であり、頑張れば十分それっぽく集まる。が、見た目が地味なためかあまり人気が無い…
 参考画像:
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ
 関連記事:
モルスキンBDU:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e556090.html
コットン装備ベルト一式:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e556092.html
M1型 スチールヘルメット:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e556091.html

●G3 + モルスキンBDU(後期型) + 防破ベスト + コットンベルト一式orシステム88一式
 統一直前ごろ(80年代末)に初の防護ベストである防破ベスト(SKⅠクラス:拳銃弾・榴弾片対応)が導入され、同時期に装具システムも一新。コットンベルト一式は集めやすいため難易度低から中だが、システム88は流通が少なく希少なため難易度は中から高。
 参考画像:
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ
 関連記事:
防破ベスト:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e148244.html

連邦ドイツ前期(1980年代末ごろ-90年代中ごろ)
●G3 + フランス F1 ジャケット + システム88一式
 初の海外派遣である92年ソマリア派遣で使われていた装備。熱帯仕様のBDUが無かったためフランスから借りてたらしい。難易度高。

●G3 + モルスキン BDU + ブリストルアーマー
 初の海外派遣である92年ソマリア派遣に際し、SKⅣクラス(ライフル弾対応)防護ベストを採用していなかったため、急きょイギリス製DPM迷彩のブリストルアーマーを導入。ブリストルアーマーは希少になりつつあり、難易度は中から高。

●G36+5色迷彩BDU+防破ベスト+システム95一式
 新ライフルG36の導入(1996年)後の装備。BDUがモルスキンから5色迷彩になったのもこの前後から(91年くらいから導入開始?)。装備自体は現在では二線級装備ではあるが、基礎教練や訓練、演習では現役。難易度としては低。ただし防破ベストやシステム95は、かつてはドイツ装備の入り口として容易に入手できたが、最近は徐々に品薄になりつつある模様。また、この頃からヘルムが鉄製のM1タイプからケブラー製のM826に代わっている(92年くらいから導入開始?)。
 参考画像:
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ
 関連記事:
5色迷彩BDU:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e224549.html
防破ベスト:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e148244.html
システム95装備(1):http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e148590.html
システム95装備(2):http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e509279.html
M826ヘルメット:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e236497.html

連邦ドイツ中期(1990年代中ごろ-2000年代末ごろ)
●G36+5色迷彩BDU + 5色迷彩STアーマー
 初の国産SKⅣクラス防護ベストであるSTアーマーの装備。98年コソボ派遣あたりから導入。マガジンポーチもついてるため、これ一着あれば格好がつく(ただし使いやすさは保証しない)。難易度は低から中。
 参考画像:
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ
 関連記事:
5色迷彩STアーマー:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e337150.html

●G36+3色迷彩BDU + 5色迷彩STアーマー
 砂漠迷彩導入直後あたり(2000年代初め)。アフガン派遣初期の組み合わせ。難易度は低から中。
 参考画像:
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ
 関連記事:
3色迷彩BDU:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e236499.html

●G36+3色迷彩BDU + 3色迷彩STアーマー
 2000年代中ごろからSTアーマーも3色迷彩に。アフガン派遣中期以降の定番組み合わせ。難易度は低から中。
 関連記事:
3色迷彩STアーマー:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e647999.html

連邦ドイツ後期-現代(2000年代末ごろ-現在)
●G36 + 3色迷彩BDU + 5色迷彩(3色迷彩) SK アーマー + (タスマニアンタイガー チェストリグ Mk2, IdZベスト等)
 アフガン派遣中期から空挺他の特殊部隊を中心に広まった装備。5色迷彩が中心だが、後期になると徐々に3色迷彩も増えてくる。SKアーマーはマグポーチなどが無いため、チェストリグ等を上に着る必要がある。難易度中から高。
 関連記事:
5色迷彩SKアーマー:http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e547667.html
参考画像:
ドイツ連邦軍官給系装備の系譜まとめ


●G36 + 3色迷彩BDU + 3色迷彩 IdZ アーマー&ベスト(あるいはアーマー単体)
 IdZ とはドイツ版近未来歩兵プロジェクトのこと。アフガン派遣中から後期の定番装備。肝心のアーマーがほとんど流通しないため難易度高。
 関連記事:
3色迷彩IdZベスト(民生):http://esebundeswehr.militaryblog.jp/e337149.html

●G36 + 5色迷彩BDU + 5色迷彩 IdZ アーマー&ベスト(あるいはアーマー単体)
 アフガンでの実地採用に続いて、ドイツ本国でも演習などでよく見かけるようになってきた。難易度高。

ここにあげたのは官給系装備のみですが、最近は特殊部隊に限らず一般部隊でも、部隊購入などで民生品チェストリグ・プレートキャリアを導入している例がかなり多いです。
それから、細かいことを言えばSTアーマーも3世代くらいモデルが別れていたり云々…とかありますが、そもそも私自身も区別つかないものがいっぱいあるので省いてます。また、例えばシステム95でシステム88を代用したりと工夫次第でそれっぽくなるものもありますし、自分なりにいろいろ設定を考えて装備を揃えてみるのもおもしろいと思います。

さて、最近は IdZ の改良版である「グラディウス」の配備も始まりつつあるようです。アフガン派遣も終了しましたし、ぼちぼち IdZ の放出が進んでほしいなぁ…と思いつつ、各地の紛争で使われるのを防ぐためドイツ政府が国外流出に神経を尖らせているという噂もあります。
はたまた、最近になって「G36は不良品だ!」とドイツ政府がお怒りのようなので、新ライフル導入か!?という話もあったりなかったり。さすがに調達数が膨大すぎるのでせいぜいバレル改修くらいだと思いますが、もうG36採用から20年ですからね…次はG38(HK416)という予想もありますが果たして?

そんなわけで、これからもドイツ連邦軍装備から目が離せませんね!



Posted by わいと  at 12:31 │Comments(4)野戦装具類

この記事へのコメント
勉強になります!!
ありがとうございます!!
Posted by masadamasada at 2015年05月14日 14:25
> masada さま
コメントありがとうございます。
そう言っていただけると頑張って書いた甲斐があります!
Posted by わいとわいと at 2015年05月14日 16:29
わいと様、お久しぶりです。
これだけの資料を編者にあたりお疲れ様です。
やはり装備を揃えるにあたり、時代考察は大事ですね。このようにしてくれば、初心者である私には大変助かります。
Posted by ゲーリング3世 at 2015年06月10日 22:54
ゲーリング3世さま
ありがとうございます。どんな風に装備を着るかは人それぞれなので、正解も不正解も無いというのが持論ですが、やはり年代的整合性とかが気になる人もいるんじゃないかということで、簡単にまとめてみました。
何かの参考になれば幸いです。
Posted by わいとわいと at 2015年06月12日 10:56
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サバゲ歴:2010年5月から
職業:学生→サラリーマン
生息地:北海道札幌市近郊→東京都
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